峠の釜めし
新幹線に乗ると、前の座席の背もたれに置いてある「トランヴェール」が私の楽しみ。
毎月いろいろなところで取材をしたりして記事を書いているんだろうし、しっかり掘り下げて内容も濃い。ほぼ毎月感心して手に取って読んでいる。
柚月裕子さんのエッセイも37話になった。興味深く読ませてもらっている。といことは毎月近く新幹線に乗っている?さすがにそれはない!
今回はEKIBENギャラリー270が「峠の釜めし」だった。
信越本線も、峠の釜めしを販売している荻野屋も140周年とのこと。初めから釜めしを販売していたわけではなく「峠のおむすび」だったと。「峠の釜めし」の登場は4代目社長の高見澤みねじ氏の時。この名前にもおや?っと思わされたのである。うちのルーツをたどれば親戚かもしれない。
彼女は3年間毎日ホームに立ち、旅人一人一人に「どんなお弁当がほしいか?」と聞いて回ったらしい。そしてたくさんの人の話からたどり着いたのが「あたたかくて、家庭的な楽しいお弁当」。
毎日旅人にどんなお弁当が欲しいか?と聞くパワーも凄いと思うが、次に「どうしたら旅人の気持ちに応えられるか?」と考え行動に移していく努力がやはり並大抵のものではない。社長になったからといってそれができるようになるわけではないし、現状に満足せず旅人を喜ばせようとする姿勢を見習わなければならない。
試行錯誤を繰り返し、益子焼の一人用土鍋に出会い、暖かくして旅人に駅弁を提供できるようになり横川の駅での販売。当初はなかなか販売も伸びなかったらしい。しかしお客様に喜ばれる弁当を作れば、必ず売れるはずだという想いがあったのであきらめなかったと。
若い頃、私も何度も停車中の信越本線から降りて購入したことか。それができる列車の旅は楽しかった。横川の駅に着くのが楽しみだった。
新幹線になり「峠の釜めし」を横川の駅で購入する事も出来なくなった。お弁当はもっぱら東京駅の「祭」で購入するがなかなか「峠の釜めし」には手を出さなくなった。他のお弁当も手を変え品を変え面白いものが増えているからもある。
今回これを書くにあたり販売元の荻野屋のHPを調べてみたら、「食べた後の容器でのご飯の炊き方」や「荻野屋おすすめレシピ」なるものまで上げてある。長きに愛される会社とは売ったら終わりではなく、使い終わった容器も使えるように考えている。その頃からSDG’s。そこが素晴らしい。
今度お弁当を買うときは「峠の釜めし」を買ってみよう。懐かしい味と思うかな?それもまた新鮮。
荻野屋東京 https://oginoya.tokyo/
空き釜を利用したご飯の炊き方:https://oginoya.tokyo/tougenokamameshi/reuse/how_to_cook_rice/
荻野屋おすすめレシピ:https://www.oginoya.co.jp/recipe/